「むくみのせいか、何だか顔がモッタリ・・・あぁ、このもたつきを取って顔を小さくしたい!」
そんなあなたにオススメなのが、今日ご紹介する顔のリンパマッサージ。
リンパマッサージといっても、ただ何となくマッサージするだけじゃもったいない!
なぜなら、リンパマッサージの手順やちょっとしたコツをつかんでおくだけで、小顔効果に差が出るからです。
今日は、「むくみを撃退して、小顔効果が2倍になるリンパマッサージの手順とコツ」をご紹介!
小顔効果が高いと言っても難しいことは一切なく、誰でも簡単にできますので、どうぞご安心くださいね。
(「リンパマッサージのやり方」は5章目でご紹介しています。)
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目次
リンパの基礎知識

さて、早速リンパマッサージのやり方・・・といきたいところですが、その前にまずは知っているようで知らないリンパの基礎知識についてサラッとご説明しましょう。(不要な方は、飛ばしてくださいね!)
リンパとは
リンパは、正確には「リンパ液」と言い、ほぼ無色で透明な液体です。
リンパ液は動脈からしみ出た血液成分(組織液)がリンパ管(注1)に入ったもので、老廃物や余分な水分、ウイルスなどの病原体をリンパ節まで運ぶ役目があります。
リンパ液が通る管。
人体には、血管の他にリンパ管という管が静脈に沿って張り巡らされており、この管の中をリンパ液が流れています。
リンパ節とは

リンパ節は、リンパ管の所々にある豆状の組織で、リンパ液中の老廃物などをろ過するフィルターの役目をしています。
つまり、リンパ液のお掃除屋さん。
あずき~そら豆大の結節が数個~数十個で群をなしているものが多く、リンパ液はこのリンパ節をいくつも通過しながらキレイになり、身体を循環していきます。
リンパ液はどうやって流れているの?
全身を巡る血液は、心臓のポンプ作用で循環していますが、リンパには心臓のようなポンプがありません。
そのため、リンパ液は、
- リンパ管自体の収縮やぜん動運動
- 呼吸
- 筋肉の動き
- マッサージなど外部からの圧力
の4つによって、ゆっくりと流れています。
ただし、「リンパ管自体の収縮やぜん動運動」はとても緩やかなため、リンパ管の動きだけでは流れが滞ってしまいがちに。
リンパの流れを良くするには、リンパ管の周りの筋肉をストレッチ等で動かしたり、リンパマッサージを行うことが有効です。
リンパ管には2種類ある
リンパ管には、皮膚のすぐ下、体の表面に近い部分を流れる「浅リンパ管」と、筋肉より深い部分を流れる「深リンパ管」があります。
実は、効率よくリンパを流すには、これらのリンパ管へのアプローチを使いわけることがポイント。
「浅リンパ管」は、強く押すことでリンパ管がつぶれて逆に流れが悪くなってしまうため、なでる・さするといった優しいマッサージが、「深リンパ管」は、硬くなった筋肉をほぐすストレッチが適しています。
小顔の鍵をにぎる、4つのリンパ節
それでは、顔のリンパマッサージの際におさえておきたい、顔と首のリンパ節について触れていきたいと思います。
(今回は、「顔」にフォーカスしているため、「頭に関するリンパ節」については、
次回の記事「たった3分で頭スッキリ!頭のリンパマッサージのやり方」でご紹介します。)
耳下腺リンパ節(じかせんりんぱせつ)

耳の前の耳下腺部にあるリンパ節群。
表在する耳下腺リンパ節には、顔の上半分(額・上下のまぶた・頬)と側頭部の前方のリンパが流れ込むため、流れをよくしておきたいポイントです。
(別名を「耳介前リンパ節(じかいぜんりんぱせつ)」とも言います。)
顎下リンパ節(がくかりんぱせつ)

下あごの角(エラ)の内側にあるリンパ節群。
ここには、顔(顔面動脈の分布域)や顎のリンパが流れ込みます。
耳下腺リンパ節と同じく、ここも顔のリンパ節で大切なポイントとなります。
オトガイリンパ節

下あごの先の真下・内側のくぼみにあるリンパ節群。
ここには、下唇とオトガイ(下あごの先端)のリンパが流れ込みます。
深頸リンパ節(しんけいりんぱせつ)

左右の内頸静脈に沿って存在する約20~30個のリンパ節で、胸鎖乳突筋より深層にあります。
深頸リンパ節には、耳下腺リンパ節、顎下リンパ節、オトガイリンパ節のほか、頭のリンパも流れ込むため、最終的に首から上の全リンパが集まる場所になります。
そのため、姿勢が悪く、頸や肩が凝っている人は、胸鎖乳突筋によってこのリンパ節が圧迫されて顔がむくむ原因に。
ちなみに、深頸リンパ節のうち、鎖骨上窩(鎖骨のくぼみ)にあるリンパ節は「鎖骨上リンパ節」と呼ばれています。
深頸リンパ節を出たリンパは、リンパのゴール地点である左右の鎖骨下静脈(注2)へと流れ込みます。
左右両側にあり、鎖骨の下・第1肋骨の上を通る静脈。
この鎖骨下静脈と内頚静脈の合流点を「静脈角(じょうみゃくかく)」と言い、全身のリンパ液が静脈へと注がれるゴール地点となります。
(参考書籍:「グレイ解剖学」「看護師・理学療法士のためのリンパ浮腫の手技とケア」)
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顔・首のリンパの流れをサクッと解説
前章でもご説明しましたが、ここで顔と首のリンパの流れを簡単にまとめてみます。

- 顔の上半分(額・上下のまぶた・頬)のリンパは、耳下腺リンパ節→深頸リンパ節→静脈角から鎖骨下静脈へ
- 顔(顔面動脈の分布域)や顎のリンパは、顎下リンパ節→深頸リンパ節→静脈角から鎖骨下静脈へ
- 下唇とオトガイ(下あごの先端)のリンパは、オトガイリンパ節→深頸リンパ節→静脈角から鎖骨下静脈へ
リンパのゴール地点である「静脈角」は左右に1つずつあり、右上半身のリンパは右の静脈角へ、左上半身のリンパは左の静脈角へと入っていきます。
また、左の静脈角には、両下半身から集まったリンパも流れ込むため、特に左側はリンパの要(かなめ)。
こうして、リンパの流れは左右で非対称となる特徴があります。
リンパマッサージで押さえておきたい3つのポイント

力加減
勘違いをされている方も少なくないのですが、基本的に顔のリンパマッサージに力はいりません。
なぜなら、顔のリンパマッサージに必要なリンパ管やリンパ節は、深頸リンパ節を除いて比較的浅いところにあり、軽いタッチでアプローチできるからです。
また、リンパマッサージの目的は、細胞間にある余分な体液(組織液)を毛細リンパ管に入れて、主要なリンパ節へと運ぶことですが、浅いところを走るリンパを強く押すと、リンパ管がつぶれて組織液が入っていかないばかりか、流れが滞ることも・・・
浅層のリンパ管・リンパ節へのマッサージは、「なでる」「さする」「ゆする」など優しい力加減で行いしましょう。
一方、深いところを走るリンパ管・リンパ節(ここでは、胸鎖乳突筋という首の筋肉の下を走る「深頸リンパ節」)へは、外側からさするだけでは不十分なため、筋肉をじっくりと伸縮させるストレッチがオススメです。
リンパマッサージを行う方向
リンパマッサージを行う方向は、「内から外」「上から下」が基本です。
リンパマッサージを行う順番
リンパマッサージは、まず「リンパの出口」から遡って、リンパ節の詰まりを取っていくことが大切です。
つまり、顔のリンパマッサージの場合、「左右の鎖骨角(鎖骨の上のくぼみ)→首のリンパ節→顔のリンパ節」という順番です。

それは、水のたまった1本の溝をイメージしていただくと分かりやすいのですが・・・溝の先端のフィルター部分(リンパの出口)に落ち葉が溜まっていると、そこを流れる水(リンパ液)は流れることができず、ほうきで押し流そうとしても溢れかえってしまいますよね?
それと同じで、まずはリンパの出口である鎖骨角や主要なリンパ節の流れを良くしてあげることが先決になるのです。
その後は、顔→首→鎖骨に向けてリンパを流してあげると、完璧です。
顔のリンパマッサージのやり方
それでは、いよいよリンパマッサージのやり方をご紹介しましょう!
- まずは「リンパの出口」から遡って、主要なリンパ節の流れを整えていく「前半」
- その後、顔のリンパを流し、首→鎖骨へと流しこむ「後半」
に分けてご説明していきますね。
やり方さえ覚えてしまえば、わずか5分程度で出来てしまいます。
顔のリンパマッサージ(前半)
1.首のストレッチ
まずは、首の前側面をストレッチをしましょう。
首のストレッチは、リンパのゴール地点である「静脈角」、そして顔・頭の全リンパの通り道である「深頸リンパ節」の流れをスムーズに整える効果があるため、とても大切な工程になります。

①まず、右ななめ上を向きながら、首の前面にある右の「胸鎖乳突筋」をじっくりストレッチしていきます。この時、左手を右の鎖骨の下に添えると、右の胸鎖乳突筋が伸びやすくなります。

②次に、グーッと左ななめ上を向いていき、右の「肩甲舌骨筋」や「僧帽筋の上部」をストレッチ。
③その後は、色々な方向へと少しずつ頭の角度を変えていき、緊張している筋肉を伸ばしていきます。
④最後に首をゆっくり3回まわします。
(反対側も同様に行います。)

リンパのゴール地点である「静脈角」は、鎖骨を底辺に、上記で伸ばした「胸鎖乳突筋」と「肩甲舌骨筋」の間にある「大鎖骨上窩(だいさこつじょうか)」という場所にあります。
また、顔・頭の全リンパの通り道である「深頸リンパ節」は、「胸鎖乳突筋」の下にあります。
そのため、最初にこれらの筋肉をしっかりとストレッチしておくことが、リンパマッサージの効果を高めるポイントとなります。
2.鎖骨のくぼみ(静脈角)

両手をクロスし、息を吐くタイミングで鎖骨の上にあるくぼみを人差し指・中指・薬指の3指でプッシュします。(10回)
また、クルクルと小さな円を描きながらマッサージしても良いでしょう。
2.首筋

首の側面を上から下(耳の後ろの付け根~鎖骨のくぼみ)にかけてプッシュします。
4.顎下
顎の下を顎先からエラにかけて指先で優しくプッシュします。
5.耳の前・下
①まず、耳をつかんで様々な方向(下・横・上)に引っ張ります。

②その後、耳の前~下にかけてを人差し指・中指・薬指の腹で押さえながら、口を大きく開閉します。(10回)

また、口を開閉し、顎関節を動かすことで、リンパの流れを促します。
顔のリンパマッサージ(後半)
6.おでこ

手の平を使い、おでこ~こめかみを通り→耳前(耳下腺リンパ節)→首→鎖骨の上のくぼみ(静脈角)へと流します。
7.目

①指の腹を使って、目頭~目尻までまぶたの上を優しく流します。
その後は、耳前(耳下腺リンパ節)→首→鎖骨(静脈角)へ。
②目の下も同様に、目頭~目尻→耳前→首→鎖骨へと流します。
8.頬

頬のリンパを耳前(耳下腺リンパ節)に流し込んだ後→首→鎖骨(静脈角)へと流します。
9.下顎のライン
やや上を向きます。
①まず、顎先からエラにかけての矢印のエリアを、顎の下(内側)にあるリンパ節へと流していきます。

②その後、片側ずつ顎の下(内側)を顎先からエラに向かって流し→人差し指と中指で耳を挟む形で耳下腺を通り→首→鎖骨へと流していきます。
②は片側ずつ行います。
右側を流すときは左手を、左側を流すときは右手を使うとうまく流せます。
「顔のリンパマッサージ(後半)」は2~3回繰り返し流すと良いでしょう。
時間がない場合は、「顔のリンパマッサージ(前半)」だけを行うだけでも効果がありますので、ぜひお試しください。
リンパマッサージの効果が高まるタイミング

リンパマッサージの効果がグーンと高まるタイミング。
それは、ズバリ入浴中および入浴後です。
なぜなら、入浴中は水圧によってリンパが流れやすくなる上、身体が温まることで筋肉が弛緩しやすくなるからです。
つまり、首までどっぷりとお湯に浸かった後にマッサージを行えば、水圧と筋肉の弛緩によって、首や鎖骨のリンパの流れもよくなるというわけ。
また、入浴中や入浴後は全身がほぐれて血行も良くなっていることから、リンパマッサージには最適です。
リンパマッサージはいつ行っても良いですが、是非リンパマッサージの効果がさらに高まるこのタイミングを活かしてみてくださいね!
こんな時はリンパマッサージを控えましょう

日常に取り入れることで美容と健康に役立つリンパマッサージ。
しかし、リンパマッサージを控えた方がいい時もあります。
それは、体調が悪い時、特に風邪や発熱時です。
なぜなら、体調不良の時は、原因となるウイルスや病原菌を取り除くために患部にリンパ液が集めらるほか、ウイルス等が体内に回らないようにリンパ節を膨張させてせき止める「免疫機能」が働くからです。
ですから、風邪など体調の悪いときはリンパマッサージを控え、回復を待って再開しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、むくみを撃退してスッキリ小顔になれる顔のリンパマッサージをご紹介しました。
ぜひ、毎日の習慣に取り入れて、むくみのない小顔をGETしてくださいね!
ちなみに、顔のリンパマッサージとセットで行うとよい「頭のリンパマッサージ」については、次回の記事「たった3分で頭スッキリ!頭のリンパマッサージのやり方」でご紹介しますので、どうぞお楽しみに。